東京大学原子核科学研究センター(CNS)では、下記の日程で一般公開を行います。当日はCNSのメンバーが最新の研究成果や最先端の研究設備についてやさしく説明します。皆様のご来場をお待ちしています。

 

*     日時

2006年4月22日 (土)  9:30—16:30

*     場所

東京大学 原子核科学研究センター 和光分室 (地図)

理化学研究所 和光研究所 構内

東武東上線・東京メトロ有楽町線 和光市駅下車 徒歩15分

(和光市駅からCNSまでの道のり)

 

入場無料・雨天決行

 

当日は、理化学研究所・和光研究所の一般公開も行われます。お気軽にご来場ください。

 

問合せ先: email: kawabata@cns.s.u-tokyo.ac.jp

こちらからポスターをダウンロードできます。

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 宇宙の謎を解き明かす宇宙核物理

 

宇宙にまつわる諸現象において、原子核反応は不可欠の働きをしています。 私たちは、加速器から得られる安定核ビームおよび短寿命核ビームを用いて、星の進化、新星や超新星爆発(図)、ビッグバン直後の原始宇宙創生などで起こる核反応を、実験室で直接再現することにより、それらの現象のメカニズムを明らかにしようとしています。それによって、宇宙に存在する様々な元素がどうやって生み出されたのか、その起源を知る事も可能となります。このような研究実験は、CNSが製作した、世界で最初の本格的な 飛行分離型低エネルギーRIビーム生成分離機(CRIB) を使うことで可能となったものです。

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 クォークとグルーオンが飛びかうビッグバン直後の世界を探索

 

私たちの身の周りの物をどんどん細かくしていくと、原子という小さな粒子にたどり着きます。原子はその中心にある原子核とその周りをまわる複数個の電子とから成ります。原子核は陽子と中性子とから構成されていますが、さらに陽子や中性子の内部に、クォークと呼ばれる今現在知る範囲での最小単位の粒子が存在することが分かっています。クォークはグルーオンという糊の役割を果たす粒子とともに原子核の中に閉じ込められていて、自由な粒子として飛び出してくることはありません。しかし、宇宙の始まりであるビッグバンから10万分の1秒後までの高温高密度の状態においては閉じ込めが働かず、クォークやグルーオンが自由に飛び回っていたと考えられています。私たちの実験では、金のような重い原子核同士をほぼ光速で衝突させることによってクォークやグルーオンが自由に動き回る初期宇宙の状態を再現し、その状態の性質を研究しています。

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 光で探る多様な原子核の世界

 

原子の中心にある原子核が陽子と中性子からできていることがわかったことは、20世紀の大きな科学の発展のひとつです。しかし、次の疑問として...どんな原子核が存在するの?原子核の形は?と、まだまだわからないことだらけです。 わたしたち は理化学研究所の加速器施設を使って身の回りにない様々な原子核を作り、その原子核を光らせ、その光を測ることで、原子核の形を調べています。原子核の調べ方を実験装置などを紹介しながら、やさしく解説します。

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 スピンで探る原子核 −小さな磁石の大きな世界−

 

リンゴを持った手を離せばリンゴは下に落ちます。この力は重力と呼ばれています。同じように私たち自身を作っている原子核の世界では、強い力(核力)と呼ばれる力が働いています。しかし、力とは一体何でしょうか?物理の世界では、普段は気に留めることもない「力」というもの自体も研究の対象になります。原子核の世界で働く力は、「スピン」という量に依存することが分かっています。このため、スピンを用いればこの力について何かが分かるかもしれません。

また、リンゴの形やその中身がどうなっているか知りたければ、触ったり切ったりしてみれば良いでしょう。原子核の場合も同様で、例えば原子核同士をぶつけてやればその「構造」が分かります。この時に原子核同士で働く力もまたスピンに依存するので、原子核構造の研究にも、これをうまく使わない手はありません。では「スピン」とは何でしょう?それをどのように使えば何が分かるのでしょう?一般公開では、実際の装置や実験を紹介しながらこれら

の疑問にお答えしたいと思います

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 原子核物理を開拓する加速器とイオン源

 

現代科学はイオン、フォトンなど原子・量子レベルのエネルギーやサイズを持った物質によって切り拓かれています。加速器はこうた物質の生成や応用の一端を担う一方、新たな知の創造を求めて、その規模や性能を高める努力が不断に行われています。加速器科学・技術はそのような加速器の学問的・技術的基盤を成すもので、物理・化学・電気・機械・真空など現代科学技術の粋を結集した学問です。原子核科学研究センターではサイクロトロンの高度化や大強度イオン源などの開発を通じて原子核物理の発展に貢献するとともに、加速器科学・技術の向上に努めています。

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