研究内容

 

目的

(1)宇宙の進化と元素の起源を探る天体核物理。加速器からの安定核ビーム及び短寿命核ビームを用いて、宇宙の進化に伴う重要未知核反応を実験 室で直接再現して調べ、進化のメカニズムを明らかにする。新星や、超新星、原始宇宙創世等を研究対象とする。

 

(2)極端条件下の原子核物理。原子核の核子数や回転・温度等の束縛限界領域の原子核を実験的に調べ、原子核の構造や基 本的有効相互作用、核反応機構を解明する。

 

研究課題

 (1) 新星や、超新星時における水素の爆発的核燃焼過程とそのメカニズム                    

(2)軽い原子核の陽子束縛限界領域の性質

(3)宇宙での重い元素生成と宇宙の進化

 

進行中の実験テーマ

(1)新星爆発における初期過程核反応の解明

   隕石中の同位体以上問題や22Na核ガンマ線観測と関係した課題であり、一部は、カナダのTRIUMF研究所との共同研究である。陽子捕獲による22Naや22Naの生成過程が研究対象である。

(2)原始巨星中の重元素(C,Oなど)生成メカニズムの解明

   ビッグバン直後に原始宇宙生成時と星の進化の間にミッシングリンクと言われる謎の時間帯がある。そこでは、重元素の少ない原始巨星ができ、その後の宇宙の進化の元となったものと考えられる。その進化を左右するのが、重元素合成のメカニズムである。半減期が20分の11Cや0.011秒の12NをCRIBを使って人工的に生成し、陽子捕獲反応のシミュレーション実験を進めている。

(3)X−線バーストなどで起こる水素の爆発的な核燃焼過程の解明

   この過程により錫あたりまでの重元素が作られると考えられているが、その爆発の始まりのメカニズムを調べるための実験が進んでいる。高温のCNOサイクルから始まる爆発過程の最初の14O(a,p)17F反応が研究対象である。CRIBから得られる14Oビームを使って、17Fの生成量を調べる研究が冷却ヘリウム標的を使って始まっている。

 

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