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でしゃばりの1/2+

でしゃばりというと聞こえは悪いようですが、、、ここでは、陽子数5個、中性子数8個の 13B について、我々の実験で分かったことを説明します。13B というのは、双子の0+を持つ 12Be よりも陽子が一つ多い原子核なのですが、基底状態は丸いということが知られていました。しかし、我々の研究によって、5 MeV 程度の励起エネルギーを持つ状態が変形しているのではないかということが分かったのです。この状態がでしゃばりの 1/2+ なのです。

変形の重要性

ガンマ線核分光を使った我々の実験では、でしゃばりの 1/2+ が存在することを突き止めました。普通ならば、この 1/2+ はもっと高いエネルギーを持っているわけですが、何らかの効果によってエネルギーが下がっているため、でしゃばりだと言われているわけです。このような状態を Intruder State と言います。

エネルギーを下げる効果として、現在3つの理論模型が提唱されています。

  1. 相互作用の荷電スピン依存性(テンソル力)
  2. 弱束縛系の効果
  3. 変形の効果

これらは、双子の 0+ を説明することが可能な理論模型となっています。 しかし、このうち二つは特殊な事情で、でしゃばりの 1/2+ にはあまり効果がないことがわかります。 つまり、でしゃばりの 1/2+を説明できるのは、変形の効果だけであることが分かったのです。

3つの効果は、それぞれ立場が異なるためにどれが重要ということはいえませんでしたが、 我々の研究によって、ある状況では変形の効果が重要であるということが分かってきました。


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Last-modified: Fri, 09 May 2008 16:48:50 JST (5823d)