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TITLE:&multilang(ja){双子の0+};&multilang(en){Twins of 0+}; -12Be-
*双子の0+ [#pf95b39f]
ここでは 12Be という原子核で見つけられた双子のような状態について説明します。双子と言っても、一人はまん丸、一人は細長い格好をしています。見た目は似ても似つかないような気がしますが、その内面にはよく似た部分があることが分かったのです。このことは、安定核の"常識"では説明できず、さまざまな理論的解釈を発展させる一端を担っています。
&ref(12be_gnd.gif,right,around,256x192);
&ref(12be_gnd.gif,left,around,256x192);
&ref(12be_isomer.gif,right,around,256x192);

**魔法数の破れ [#q90b18cb]
12Be は陽子が4個、中性子が8個からなる原子核で、中性子数が"魔法数"です。荷電スピンは2ですが、安定核では荷電スピンはほとんど0、1/2ですので、大きな荷電スピンです。このように陽子と中性子がアンバランスになってくると、これまで考えられてきた"常識"とは違う性質を表すことがわかってきました。

&color(red){魔法数の消滅};です。

双子の 0+ は基底状態と第2励起状態に対応しますが、この状態間のエネルギーはたった 2 MeV 程度です。このような低いエネルギーの所に次の 0+ が存在することは、魔法数が存在することと相反し、魔法数が消滅しているとして考えなければ説明できないとわかったのです。このことから、荷電スピンの大きなところでは殻構造が大きく変化していることが導かれました。

**大きな変形 [#abd5f94e]
一人はまん丸、一人は細長いと言いましたが、これも奇妙な話です。水分子の集まりである水滴がほうっておけば、まん丸になるように、核子が集まった原子核もほぼまん丸だろうということは容易に想像できます。しかし、この原子核では違いました。基底状態がまん丸だと思うと、双子の 0+ は説明がつきません。しかし、変形場を導入すると容易に説明できるということを発見しました。変形場という考え方は古くからありますが、変形という考え方が重要であると最認識できる結果となったのです。

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