TITLE:液体標的の開発

*液体標的の開発 [#a0b5a81b]
#contentsx(depth=2)
**概要 [#p8507cb8]
逆運動学において、陽子散乱やアルファ散乱の実験を行うためには、水素やヘリウムを標的として用いる必要があります。水素、ヘリウムは常温では気体であり、そのまま標的として用いると物質量が少なく、十分な統計が見込めません。そこで、我々の研究室では、理化学研究所、立教大学と共同して液体水素、液体へリウム標的を開発しました。

いずれの標的も、GM冷凍機を用いステージから延びた延長棒の先端に標的を接着し、回りに輻射シールドを設置しています。セル本体はアルミ金属で、ウィンドウ部分は、薄い(6um)ハーバー膜で製作されています。

冷却されたセル内に外部からガスを導入し、水素(10K)、へリウム(4K)の液体状態をつくりだす仕組みになっています。この液体セルは、実験中(1、2週間)真空内で低温を十分に維持することが可能です。

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CENTER:液体標的セル部分

**参考文献 [#w93849a4]
-H. Ryuto et al., Nucl. Instrum. and Meth. A ''555'' (2005) 1.
**使用実績と発表論文 [#x9f9c33a]
液体標的は、理化学研究所、立教大学、CNSなどが共同して開発し、これまで数々の実験がされてきました。全部は紹介できませんので、われわれのグループに関連したものだけをリストアップしておきます。
-''r337n2実験'' (S.Michimasa et al.)
液体He標的を使用。He(22O,23F)
--S.Michimasa et al., Phys. Lett. B ''638'' (2006) 146.
--S.Michimasa et al., Nucl. Phys. A ''787'' (2007) 569. 

-''r337n1実験'' (S.Ota et al.)
液体He標的を使用。He(12Be,13B)
--S.Ota et al., PLB submitted.

-''r373n実験'' (S.Ota et al.)
液体He標的を使用。He(32Mg,32Mg)

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