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核分光って?

みなさん、虹は見た事があるでしょう。水滴で太陽の光が波長ごとに分けられてあのような綺麗なグラデーションが現れています。虹が見えるということから、普段何気なく見ている太陽の光には、赤や、緑、青といった色が存在していることに気づくのです。 人工的に虹を作り出すことができるのはご存知でしょうか?プリズムです。プリズムに入った白色光は虹のように分けられて出てゆきます。このように光の色を分けることを、分光といいます。

話を原子核に戻しましょう。 ひとつの原子核をとってみても、実はさまざまな状態が存在しています。それは原子核の中の核子の動きが変化するからです。しかし、原子核は到底目で見えるものではありません。そこで我々は、原子核から出てくる光や原子核反応に使われるエネルギーなどを測定することによってその状態を識別しています。これをプリズムで光を分けることを分光と呼ぶことになぞらえて、原子核でエネルギーの異なった状態(励起状態)を分けることを核分光とよんでいます。 不安定の励起状態を核分光で調べることによって量子系の理解を深めることができます。

光を使った核分光

核子の動きが変化するからさまざまな状態が存在すると言いましたが、いつまでもその動きをしているわけではなく、もとの動きに戻ろうとします。このときに光の一種であるガンマ線が放出されます。このガンマ線のエネルギーは二つの状態の間のエネルギー差を示しています。つまり、ガンマ線のエネルギーを測定することによって、状態を識別することができます。 NUSPEQグループでは、ガンマ線検出器として GRAPE を開発しました。複数台のゲルマニウム検出器を使ってガンマ線を検出する装置で、状態の識別能力が高いことが特徴です。この装置を使ってさまざまな研究成果をあげています。また、立教大学と理化学研究所で開発された DALI2 という NaI検出器をつかった装置も使用しています。

粒子をつかった核分光

この手法では、核子の動きを変えるために使ったエネルギーを測定することによって、状態を識別します。原子核反応ではエネルギーのやり取りが行われています。二つの原子核が反応した場合、片方のエネルギー変化から、もう片方のエネルギー変化を知ることができます。この原理を利用した核分光を行う装置として現在 SHARAQ を建設中です。この装置は、SHARAQ グループを中心に開発を進めていますが、我々も協力して開発をすすめています。


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Last-modified: Fri, 09 May 2008 16:48:50 JST (5833d)