東京大学 原子核科学研究センター

Center for Nuclear Study, The University of Tokyo

核構造・ダイナミクス

2種類のフェルミ粒子(陽子・中性子)で構成される原子核の本質を理解するため、 安定な原子核に比べ陽子数と中性子数の比がアンバランスな原子核を二次ビームとした 核反応実験により調べています。

テトラ中性子

2重交換反応 4He(8He,4n)8Beを用いて特別な条件下で測定を行うと、4n状態を反跳無しで 生成することができます。そのように生成した結果、4nの生成閾値近傍に共鳴的な事象を 観測しました。従来の理論では説明できないこの共鳴は、中性子系の未知な多体効果を示唆し ています。現在統計を増やした新測定の解析をすすめており、この共鳴を確証しようとしています。 (下浦研究室)

核構造研究

原子核は陽子数や中性子数が変化させた時に、従来の常識を覆す現象が発現します。 自然に安定に存在する原子核では、スピン軌道角運動量相互作用によって作られる秩序が 陽子数や中性子数がアンバランスな原子核では、テンソル力や、四重極相関が働き、秩序 の様相が変わってきます。最近では、変形球形の形状相転移といった現象も報告されてきました。 高精度の質量測定、インビームガンマ線核分光、陽子共鳴散乱等、様々なプローブを用いて、 多面的に、原子核を構成する秩序を司る物理に迫ります。 (下浦、今井研究室)

エキゾチック変形

様々な相関により、原子核は対称性を破って色々な形状になります。四重極変形では、 超変形状態、ハイパー変形状態があります。また八重極変形や、正四面体、直鎖状や、 トーラス型といったよりエキゾチックな変形も予言されています。このような変形状態 を探索するとともに、破れた対称性がどのように回復し、集団運動が誘起されるのかを 調べます。 (下浦、今井、山口研究室)

集団運動

この原子核を原子核散乱を通して「突っつく」ことで回転・振動運動を引き起こすことが できます。この現象は原子核集団励起と呼ばれ、原子核の堅さをはじめとした基本的な性質 を反映するため、原子核物理学の中心的な研究対象になってきました。 エキゾチック核反応グループではRIBFの不安定核ビームなどを用いて、原子核の新しい様相 と集団性を生み出す相互作用の研究を進めます。 (矢向研究室)