2024
位置感応型モザイク検出器の論文が出版されました
李嘉泰さん(今井研D2)が筆頭著者の、位置感応型モザイク検出器の論文がNucl.Instrum. and Meth. in Phys. A誌に掲載されました。 https://doi.org/10.1016/j.nima.2024.170019
核融合を用いた新重イオン創成機構の研究を推進しています。 おめでとうございます!
北村徳隆助教が第19回(2025年)日本物理学会若手奨励賞を受賞しました
北村徳隆助教が第19回(2025年)日本物理学会若手奨励賞(第31回原子核談話会新人賞)を受賞されました。 おめでとうございます。
受賞者:北村徳隆氏(東京大学大学院理学系研究科附属原子核科学研究センター) 研究題目:「32Mg と 30Mg のガンマ線分光による「反転の島」の研究」 (Gamma-ray spectroscopy of 32Mg and 30Mg for a study of ‘Island of Inversion’)
受賞対象論文
- “Coexisting normal and intruder configurations in 32Mg”, N. Kitamura et al., Physics Letters B822 (2021) 136682
- “In-beam γ-ray spectroscopy of 32Mg via direct reactions”, N. Kitamura et al., Physical Review C105, 034318 (2022)
- “Structure of 30Mg explored via in-beam γ-ray spectroscopy”, N. Kitamura et al., Physical Review C102, 054318 (2020)
受賞理由: 軽い中性子過剰領域において、特異な核構造の変化が観測されている領域「反転の島」の 理解は、原子核物理学における長年の課題となっている。 「反転の島」の内外に属する 32Mg, 30Mg 領域においてインビーム γ 分光実験を通じて、 直接反応によって生成・励起させた各同位体の励起状態を詳細に解析し、分光学的因子や運 動量分布の丁寧な分析から、各励起状態のスピン・パリティを含むレベルスキームを実験的 に明らかにした。また、「反転の島」の境界にある原子核の励起準位を正確に決定し、特に 過去の 30Mg における魔法数 N=20 の破れを示唆した実験の誤りを修正することで、30Mg が 「反転の島」の外に位置することを明確にした。この結果、数十年にわたり議論が続いてい た Mg 不安定核の構造を最終的に確定することに成功した。 反転の島の境界における核構造進化は今日の不安定核物理の重要な課題であり、その統 一的な理解を促進させたことは高く評価される。実験解析のみならず堅実な理論解析を成 し遂げている。同氏の実験研究者としての能力は高く、今後の活躍が大いに期待される。
2024 年 10 月 21 日
原子核談話会若手賞選考委員会
ホウ素-8 原子核の分解反応機構の解明に関する成果発表を行いました
ホウ素-8 原子核は「陽子ハロー構造」を持つ原子核として知られており、 その特殊な構造のため、原子核の分解反応が低いエネルギーでも顕著に起こる ことが実験を通して確認されました。
実験はCNSのCRIB装置を使い、宇宙核物理グループ(山口研究室)が イタリアのレニャーロ研究所他との国際共同実験として行いました。 M. Mazzocco et al., Phys. Rev. C 110, 044611 (2024): https://doi.org/10.1103/PhysRevC.110.044611
三中性子の実験についてのプレスリリース
東北大の三木准教授が主導した、SHARAQと三重水素標的を用いた三中性子系の実験研究についてプレスリリースを行いました。 https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10420/
酸素−14原子核のαクラスター構造の証拠を示す論文発表を行いました
酸素-14 原子核の「クラスター構造」を持つ状態を探索した結果、 鏡像対称核である炭素-14 原子核と対応したクラスター状態が 存在することが確認できました。これは、α粒子が原子核内で直鎖状に並ぶ 「直鎖状態」の発現と関連した興味深い結果であると考えられます。 実験はCNSのCRIB装置を使って宇宙核物理グループ(山口研究室)らで行い、 CNS特任研究員であったMa Nanruさんらによって論文発表されました。 N.R. Ma et al, Phys. Rev. C 109, 054302 (2024): https://doi.org/10.1103/PhysRevC.109.054302