東京大学 原子核科学研究センター

Center for Nuclear Study, The University of Tokyo

OEDO-SHARAQ プロジェクト

Posted on 22 Jul, 2019

OEDO-SHARAQ プロジェクト

RIBF にはRI ビームの反応を分析するスペクトロメータがいくつかありますが、2009 年に完成したCNS の基幹装置SHARAQ スペクトロメータは、その高い分析能力(運動量分解能:1/15000)が特長です。 高分解能ビームラインと組み合わせて使用することにより、高分解能の質量欠損スペクトルが得られます。 テトラ中性子状態の高精度分光などが行われています。 実験の幅を広げるため、RI ビームの品質を落とさずエネルギーを下げるOEDO プロジェクトにも着手し、2017 年3 月に完成しました。

原子核科学研究センターでは、世界初の減速方法を取り入れたRI ビーム低エネルギー化システムOEDO の開発を進めています。OEDO 装置は、エネルギー減衰板とRF 電場のビーム収束作用を組み合わせることで、RI ビームの高い減速効率と収束性の両立を実現します。 下図は、世界各国のRI ビーム施設で供給できるRI ビームの質量とエネルギーを示したものです。 OEDO が世界的にユニークなビームを供給できることが分かります。 平成29 年秋には長寿命核分裂生成片(LLFP)ビームをOEDO を使って低エネルギー化し核融合反応等の核変換率測定実験を行いました。 放射性廃棄物の安全な処理法が模索されていますが、約10 万年以上の非常に長い半減期を持つLLFP処理方法は未だ確立していません。 LLFPを効率良く安定原子核に変換する核反応があれば、これらの解決策の有力候補になります。

OEDO 写真

New cool posts

What is our recent update?